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iDeCo(個人型確定拠出年金)にはデメリットしかない?厚生年金が減るって本当?

2023.11.20 nishihara

iDeCo(個人型確定拠出年金)にはデメリットしかないのでしょうか。

iDeCoは豊かな老後のために資産形成をおこなう制度iDeCoはデメリットしかないので、やるだけ無駄なのでしょうか。

iDeCoは公的年金とは別に自分で積立をおこなう私的年金の制度です。

掛け金が全額所得控除の対象になり、積立期間中の運用益は非課税というメリットがある一方で、60歳まで解約することができないあるいは元本割れリスクがあるといったデメリットも存在します。

さらにiDeCoで積立をおこなうと厚生年金が減ると思っている人もいます。

デメリットばかりという評判もあるiDeCoですが、加入することでメリットのある人はいないのでしょうか。

iDeCoに関するメリットとデメリットを見ていき、制度の概要やおすすめできる人とできない人の特徴などを詳しく解説していきます。

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは

iDeCoは正式には「個人型確定拠出年金」といいます。

iDeCoは公的年金(国民年金・厚生年金)とは別に給付を受けられる私的年金制度です

加入するかどうか各自で選択することができ、加入する場合は個人が自分で金融機関への申込や掛金の拠出、運用の指示をおこないます。

最終的には掛金とその運用益の合計を給付金として受け取ることができます。

iDeCoに加入する場合、iDeCoを取り扱っている金融機関(正式には運営管理機関)で加入を申し込みます。

金融機関ごとに運用する商品(定期預金や投資信託)が異なり、また手数料も異なります。

運用商品は金融機関ごとに取りそろえられている定期預金や投資信託から自身でどの商品に何割投資するのかを決定して指示します。

複数の運用商品を選ぶこともでき、運用の途中で商品を変更することもできます。

iDeCoの加入できる人の条件

iDeCoに加入できる人の条件は以下の通りです。

  1. 国民年金第1号被保険者(自営業やフリーランス、学生の人など)の場合
    ・20歳以上60歳未満の人
    ・国民年金の保険料を免除されている人、農業年金被保険者は加入不可
  2. 国民年金第2号被保険者(会社員、公務員など)の場合
    ・65歳未満の人
    ・企業型確定拠出年金とiDeCoの掛け金合計が限度内で毎月定額であること
    ・企業型確定拠出年金でマッチング拠出を選択していない人

(マッチング拠出とは、企業型DCにおいて、会社が拠出する掛金に加えて、加入者本人が掛金を上乗せして拠出することができる仕組みです。)

  1. 国民年金第3号被保険者(専業主婦・主夫)の場合
    ・20歳以上60歳未満の人
    ・厚生年金の被保険者に扶養されている人
  2. 国民年金に任意加入している人の場合
    60歳から65歳未満の人で国民年金の保険料納付済期間が480月に達していない人(海外居住の人も含む)

iDeCoと企業型DCは併用可能

iiDeCoと企業型DC(企業型確定拠出年金)は併用可能です。

2022年10月の法改正で、企業型DCに加入している人は規約の定めがなくても本人の意思でiDeCoに加入できるようになりました。

ただし、iDeCoと企業型DCの併用には以下の条件があります。

  1. 各月の企業型DCの事業主掛金額と合算して月額5.5万円を超えていないこと
  2. 企業型DCでマッチング拠出をしていないこと

また、企業型DC加入者が離転職により加入者の資格を喪失した場合は、企業型DCの資産をiDeCoに移換できます。

同様にiDeCoに加入していた人が転職して企業型DCに加入した場合も、iDeCoの資産を企業型DCに移換できます。

iDeCoはデメリットしかないと言われる理由は?

iDeCoにはデメリットしかないという評判がありますが、それは本当でしょうか。

まずは評判の原因となっているiDeCoのデメリットを確認してみましょう。

  1. 60歳まで引き出しや途中解約ができない
  2. 元本割れのリスクがある
  3. 手数料負けする可能性がある
  4. 公務員だと受けられるメリットが大きくない
  5. 専業主婦が加入してもメリットが受けられない
  6. 転職により掛け金が代わる場合がある

①60歳まで引き出しや途中解約ができない

iDeCoは老後の資金を作るための制度であり、原則として60歳まで資産を引き出すことができません。

これはiDeCoが税制面で優遇される代わりに設けられた制約です。

そのため掛け金が高すぎると、生活費や教育資金、あるいは住宅ローンの返済などに支障をきたす可能性があります。

また、現役時代にマイホームや自動車の購入など大きな支払いがあったとしても、iDeCoに拠出している資金は60歳まで使うことはできませんので、注意しなくてはいけません。

②元本割れのリスクがある

iDeCoは金融商品へ投資をおこないます。投資信託へ投資をおこなえば、市況により運用している資産の評価は上がったり下がったりします。

運用の結果が良好であれば自分の利益となり将来受け取る金額が増えます。

一方で、運用の結果が悪ければ元本割れするリスクも存在します。

運用の結果が悪ければ、拠出した金額よりも少ない金額が戻ってくることもあり得ます。

しかし、この損失は自己責任として受け入れるしかなく誰も補填してくれません。

③手数料負けする可能性がある

iDeCoでは運営管理機関や運用商品に手数料を支払います。運営管理機関や運用商品によっては手数料が高い場合があります。

たとえば運用商品に定期預金がありますが、現在のような低金利の環境下では預金の金利とiDeCoで必要な手数料を比較した時に、預金金利の収益では手数料負担がかなり大きくなる可能性もあります。

特に掛金が少ない場合や運用利回りが低い場合は、手数料負けする可能性が高くなりますので注意が必要です。

④公務員だと受けられるメリットが大きくない

公務員はiDeCoに拠出できる掛け金の上限が少なく、月12,000円しかありません。

掛金が少ないと、税制優遇のメリットが小さくなってしまうことに注意しましょう。

また、公務員の場合、掛金に対する手数料の負担割合が高くなる点にも注意が必要です。

iDeCoは、毎月掛金を拠出する場合、毎月一定額の手数料がかかります。

掛金の額が変わっても通常手数料は変わらないため、会社員と比べて掛金の上限額が低い公務員は拠出額に対する手数料の割合が高くなってしまいます。

ただし、公務員の掛け金上限は2024年12月から20,000円に引き上げられますので、状況はいまよりも改善します。

⑤専業主婦が加入してもメリットが受けられない

専業主婦(夫)はiDeCoに加入しても、もともと所得税や住民税が課税されないため、掛け金が所得控除されるメリットは受けられません。

また、iDeCo加入時には手数料が発生し、他にも口座管理手数料などのコストがかかります。

しかし、iDeCoには所得控除以外にもメリットがあります。

老後を見据えた年金作りに活用することができます。

また将来、扶養範囲を超えて働く人なら所得控除を受けられる可能性もあります。

⑥転職により掛け金が代わる場合がある

iDeCoの掛金の上限額は、加入者の雇用形態や所得によって異なります。

そのため加入者が転職した場合や、収入が変わった場合などは掛金の上限額が変わる可能性があります。

このような時には、加入者が自分で正しい掛金額に設定し直す必要があります。

iDeCoの掛け金については、加入者の状況によって上限額が複雑に異なりますので、間違えないよう注意して対応しなくてはいけません。

iDeCoで得られる節税効果は3つ

iDeCoにはデメリットだけでなくメリットもあります。iDeCoの大きなメリットを3つ見ていきましょう。

掛金全額所得控除が受けられる

iDeCoの大きなメリットの一つは、掛け金が全額所得控除になることです。

iDeCoで拠出した毎月の掛金は、全額所得控除の対象となります。

たとえば、毎月2万円ずつ拠出する場合、年間24万円が課税所得から控除されます。

所得控除を受けると、その年の所得税や翌年の住民税が軽減されます。

日本の税金は基本的に収入がどれだけあるかによって計算されています。

iDeCoで積み立てた金額は、この収入の計算から引くことができるので、税金の計算のうえでは収入を減らす効果があります。

実際には収入は減っておらず、掛け金は将来帰ってきますので積み立てた分だけ税金が安くなります。

ただし、元々の収入や他の所得控除・税額控除を利用すると所得が発生しない場合には税金が安くならない可能性があります。

専業主婦(主夫)や扶養内で働いているパート・アルバイトの人で、収入から所得控除を差し引いた結果「課税所得」がゼロとなる場合はiDeCoで所得控除を増やしても差し引けるものがないですから、税金は安くなりません。

積立期間中の運用益が非課税になる

iDeCoには積立期間中の運用益が非課税になるという大きなメリットがあります。長期的な資産形成をおこなおうとする人にとって非常に重要なポイントです。

iDeCoは毎月一定額を積み立て、その資金を投資信託や保険などに投資することで運用します。

そして、その運用益は非課税となります。つまり、運用で得られた利益に税金がかからないということです。

この非課税のメリットは、長期的な視点で見ると非常に重要です。

通常は投資で得た利益には税金が掛かりますが、iDeCoでは税金がかからないため運用の利益をすべて再投資することが可能です。

これにより複利効果が最大に働き、長期的な運用が成功する可能性が高まります。

受け取り時に税制優遇が受けられる

iDeCoには、受け取り時に税制優遇が受けられるというメリットもあります。

iDeCoの受け取りは原則として60歳から可能で、一時金または年金として受け取ることができます。

一時金として受け取る場合、退職所得控除を受けることができます。

退職所得控除とは、退職した際に受け取る一時金に対して適用される税制優遇措置です。

この控除により一時金に対する税負担を大幅に軽減することが可能で、iDeCoの一時金支払いにも適用されます。

退職所得控除は、受け取った金額からiDeCoの加入年数に応じた所得控除を受けたうえで、残った金額を2分の1にしたものを退職所得とすることができますので、大幅に税金を減らすことができます。

一方年金形式で複数回にわけて受け取る場合、公的年金等控除を差し引くことができます。

こちらも通常の雑所得の所得計算よりも、公的年金等控除の分だけ税金の額が減り有利です。

iDeCoを始めるのにおすすめの証券会社3選

iDeCoを始めるには金融機関で申込をおこなう必要があります。

手数料や運用商品などは金融機関によって異なりますので、どこでiDeCoを申し込むのかはとても重要です。ここではiDeCoを始めるのにおすすめの証券会社を3社紹介します。

楽天証券

楽天証券

加入手数料 2,829円
運営管理手数料 0円
口座管理手数料 171円
投資信託 31本
預金 1種類
コールセンター あり
平日 : 10時~19時
土曜日 : 9時~17時
AIチャット あり
24時間受付可能

楽天証券のiDeCoは口座管理料が無料で、業界最低水準のコストでiDeCoが利用できます。

楽天市場や楽天カードなど楽天グループのサービスの会員であれば、IDとパスワードを入力するだけでiDeCoへの加入申込み作業の一部を省略でき、さらに証券口座と年金口座も一括管理できるので手間が省け大変便利です。

投資対象となる投資信託や預金は、楽天グループにおけるお金のシンクタンクである「楽天証券経済研究所」が選び抜いた厳選の32本をラインナップしています。

SBI証券

SBI証券

加入手数料 2,829円
運営管理手数料 0円
口座管理手数料 171円
投資信託 34銘柄
預金 1種類
コールセンター あり
8時~17時(土日も受付可能)
AIチャット なし

ネット証券最大手であるSBI証券のiDeCoは業界最低水準のコストを実現しており、2022年度のiDeCo新規加入者数がNo.1と多くの支持者を集めています。

ラインナップも「低コスト」と「バラエティ」にこだわった国内外さまざまな資産への投資を可能にする34銘柄を厳選して取り揃えています。

また「DC Doctor」という運用商品を選ぶ際のサポートツールを提供しており、無料でポートフォリオの提案を受けたり、シミュレーションを利用したりすることができます。

松井証券

松井証券

加入手数料 2,829円
運営管理手数料 0円
口座管理手数料 171円
投資信託 30銘柄(39種類)
預金 1種類
コールセンター あり
平日8時30分~17時
AIチャット あり
24時間受付

創業100年を超える老舗ネット証券である松井証券ですが、iDeCoの提供もおこなっています。

松井証券のiDeCoは、業界内でも最多水準の幅広い投資対象のラインナップから運用商品を選ぶことができます。

低コストのインデックスファンドシリーズとして人気の三菱アセットマネジメント「eMAXIS Slim シリーズ」や、ファンドマネジャー藤野英人氏が有名なレオスキャピタルワークス「ひふみ年金」など、人気の投資信託を取り揃えています。

iDeCo専用のコールセンターやAIチャットサービス、わかりやすい管理画面などサポート体制も充実しています。

iDeCoに加入する流れ

ここからはiDeCoに加入する手続き等の流れを紹介します。

以下は1つの例として、楽天証券に申込書で申し込む場合におけるiDeCo加入手続きの流れを、5つのステップに分けて説明します。

手続きは金融機関によって異なりますので、詳細は申込をおこなう各金融機関で確認してください。

  • STEP.1
    事前準備

    以下の書類等を準備します。

    • 本人確認書類(楽天証券口座を保有している場合は不要)
    • 掛金引落口座の情報
    • 基礎年金番号(年金手帳に記載)
  • STEP.2
    資料請求
    楽天証券のウェブサイトで加入者情報を入力すると申込書類一式が届きます。
  • STEP.3
    申込書の記入と郵送

    送られてきた申込書に必要事項を記入して郵送します。

    このとき会社員もしくは公務員の人は「事業主証明書」が必要になります。職場で準備して合わせて郵送しましょう。

    郵送後、国民年金基金連合会の審査等のため、手続き完了まで1ヵ月〜2ヵ月程度かかります。

  • STEP.4
    確認書類・パスワードの受け取り

    確認書類が届いたら内容に誤りがないか確認します。

    国民年金基金連合会から以下の書類が届きます。

    • 個人型年金加入確認通知書

    記録関連運営管理機関(JIS&T))から以下の書類が届きます。

    • 口座開設のお知らせ
    • パスワード設定のお知らせ
  • STEP.5
    運用開始
    掛け金が引き落とされたら運用が開始されます。事前に決めた割合に従って運用がおこなわれます。

iDeCoに加入するのがおすすめなのはどんな人?

ここまでにiDeCoのデメリットとメリットを見てきました。

それではiDeCoに加入するのがおすすめな人はどんな人なのか見ていきましょう。

iDeCoへの加入がおすすめな人の特徴

iDeCoへの加入がおすすめな人の特徴は次の通りです。

加入期間が長くとれる若年層の人

iDeCoは加入期間が長くとれる若年層にはとてもおすすめの制度です。

その理由は長期的な運用ができるので複利効果を最大化できることにあります。

若年層は加入期間が長く取れるため、長期的な運用が可能です。

投資においては時間が最も重要な要素であると言われています。

投資を始めるタイミングが早いほど、その利益は大きくなる可能性があります。

また長期的な運用により、複利効果を最大限に活用することができます。

複利効果とは、投資によって得られた利益を再投資し、その利益からさらに利益を得ることができる効果のことです。

この効果は時間と共に増加するため、若年層ほどその恩恵を受けることができます。

退職金のない自営業の人

自営業の人は会社員と違い退職金制度がないので、老後の生活資金を自分で準備する必要があります。

iDeCoは、そのような自営業者が自分自身のために確実に資産形成をおこなうための手段となります。

iDeCoへの積立金は所得控除の対象となり、積立期間中の運用益が非課税となる私的年金を作るための制度です。

そのためiDeCoを活用すれば自営業者は所得税負担を軽減しつつ、長期的な資産形成を行うことができます。

所得が多い人

所得が多い人もiDeCoの活用にメリットがあります。

iDeCoへの掛け金は所得控除の対象となりますので、所得が多い人ほどその恩恵を受けることができます。

所得税率が高い人ほどiDeCoへの積立による所得控除の効果は大きくなります。

また所得が多い人は、余裕資金が多いため一定のリスクを取って期待リターンを高めることが可能です。

期待リターンが高い投資はリスクも高くなりますが、長期投資をすることによりリスクは軽減されることが経験則からわかっています。

所得が多い人は長期投資のメリットを受けやすい立場にあります。

iDeCoへの加入がおすすめできない人の特徴

それではiDeCoへの加入がおすすめできない人はどのような人でしょうか。その特徴を紹介していきます。

収入が多くない人

収入が少ない人は、生活費や教育費などの余裕が少なくiDeCoへの積立金が負担となってしまう可能性があります。

iDeCoは長期的な資産形成を目指す制度であり、一定の金額をコンスタントに積み立てることが求められます。

しかし、収入が少ないと積立金自体が生活を圧迫してしまうこともあり得ます。

またiiDeCoへの積立金は所得控除の対象となりますが、収入が少ない人の場合には所得控除による恩恵が限定的になります。

所得税率が低いほど所得控除による税負担軽減効果は小さくなります。

また、積立期間中の運用益は非課税ですが、運用による利益も積立金額に比例するため、積立金額が少ないとその恩恵も限定的となります。

50代後半以上の人

50代後半以上の人にもiDeCoはあまりおすすめできません。

iDeCoは長期的な運用を前提とした制度であり、その恩恵を最大限に受けるためには一定以上の運用期間があることが好ましいです。

しかし、50代後半以上の人の場合、加入期間が短くなるためその恩恵を十分に受けることが難しくなります。

運用による利益が出るまでの時間が短くなり、複利効果を活用することが困難です。

そして一般的には年齢が上がるとリスク許容度は下がる傾向にあります。

これは、投資による損失を補うための時間や機会が少なくなるためです。

iDeCoでは一定の運用リスクを取ることで将来の受取金額を増やそうとするわけですが、とれるリスクが少ない人は将来の期待リターンも小さくなります。

投資期間が長ければ取れるリスク量を高めることができますが、50代後半以上の人の場合には投資期間によるリスクテイクが難しくなります。

iDeCoに関してよくある質問

ここからはiDeCoに関してよくある質問とその回答を見ていきましょう。

iDeCoに加入すると厚生年金が減る?

iDeCoに加入しても厚生年金の受け取り金額は減りません。

iDeCoの掛金は給料からの天引きではなく、個人の資産から拠出するものなので厚生年金には影響しない仕組みになっています。

なお、企業型確定拠出年金である企業型DCの場合は、厚生年金が減る可能性がありますので勘違いしないようにしましょう。

iDeCoは5000円や1万円の少額だと無意味?

5,000円や1万円といった少額でも、iDeCoで積み立てをおこなうことには意味があります。その理由は主に次の2つです。

まず税制上の優遇です。iDeCoへの積立金は所得控除の対象となり、運用益は非課税です。

この仕組みにより所得税の負担を軽減しながら、長期的な資産形成を行うことができます。

積立金額が少なくても、この効果自体は無くなるものではありません。

続いて投資の複利効果です。

複利効果とは、投資によって得られた利益を再投資することで大きな利益を生み出す効果のことで、時間が長ければ長いほどその効果は大きくなります。

たとえ少額であったとしても長期間積み立てることで、大きな利益を得られる可能性はあります。

iDeCoをどうしても解約したい時はどうすればいい?

iDeCoは原則として途中解約が認められません。

ただし、一定の条件を満たす場合は例外的に「脱退一時金」として途中で解約が可能とされています。

具体的に解約可能となる条件は、次のすべてを満たす場合です。

  • 60歳未満であること
  • 企業型DCの加入者でないこと
  • iDeCoに加入できない者であること
  • 日本国籍を有する海外居住者(20歳以上60歳未満)でないこと
  • 障害給付金の受給権者でないこと
  • 企業型DCの加入者及びiDeCoの加入者として掛金を拠出した期間が5年以内であること。または個人別管理資産の額が25万円以下であること
  • 最後に企業型DCまたはiDeCoの資格を喪失してから2年以内であること

しかしながらこの条件を見るとかなり厳しく、該当する人はほとんどいないと考えられます。

まとめ

iDeCoは公的年金(国民年金・厚生年金)とは別に給付を受けられる私的年金制度です。

現役時代に長期間資金を積立・運用することで、豊かな老後生活を送るための準備をする制度です。

iDeCoはデメリットしかないのでやるだけ無駄という評判もあります。

しかし、掛け金が全額所得控除の対象となることや積立期間中の運用益は非課税になること、そして受け取り時にも税金が優遇されることといったメリットを鑑みると、必ずしも全ての人にとってデメリットしかない制度とは考えられません。

ここで説明したiDeCoに加入することがおすすめな人にはメリットのある制度ですので、まだの人は加入を検討してみてはどうでしょうか。

この記事を書いた人

nishihara