債務整理におすすめの弁護士・司法書士事務所10選|多重債務を解決するならプロに相談
「お金を借りたは良いけど返せなくなってしまった」という悩みをお持ちの方は多いでしょう。1社だけならともかく、複数社からの借入「多重債務状態」に陥ってしまう方も多いです。
自分だけで借金問題を解決するのが難しいなら、弁護士や司法書士といった法律の専門家に相談し、債務整理を行うのがベストです。
そこで重要となるのが「弁護士・司法書士(法律事務所)」の選び方です。事務所ごとにかかる費用や所属する弁護士・司法書士の得意分野も違いますが、どのような基準で選べば良いのでしょうか。
今回は初めて債務整理を行う方にもおすすめできる10の法律事務所を紹介し、それぞれ対応できる内容や利用するメリットについても詳しく解説していきます。
目次
債務整理におすすめの弁護士・司法書士事務所10選
まずは、初めて債務整理をするという方にもおすすめできる弁護士・司法書士の事務所を紹介していきます。
少数精鋭のアヴァンス法務事務所
債務整理対応状況 | すべて対応 |
相談料無料 | ◯ |
費用分割払い | 可能 |
着手金(基本報酬) | 11,000円~ |
減額報酬金 | 11% |
2007年6月に創業し、約15年にわたって多くの借金問題を解決してきたのが、大阪を拠点とする「アヴァンス法律事務所」です。
アヴァンス法律事務所の特徴は以下の4つです。
- 23万件以上の相談実績
- 相談料は何度でも無料
- 着手金は11,000円から可能
- 整理後の支払いもフルサポート
アヴァンス法務事務所は借金問題を抱える相談者が無事に完済するまでサポートしていて、実際に10年で23万人の相談者からお金に関する相談を、解決した実績があります。
アヴァンス法律事務所は任意整理・個人再生・自己破産・時効援用に対応しています。着手金および解決報酬金や減額報酬金はWEB上で公開されているので、料金を確認してから利用できます。
他にも「アヴァンス・アシスト」というサービスがあり、一度債務整理の依頼を受け付けたら、債務整理後の支払いや、管理に関してもアヴァンス法律事務所が代行してくれるサービスです。
はたの法務事務所は債務整理の着手金が無料
債務整理対応状況 | すべて対応 |
相談料無料 | ◯ |
費用分割払い | 不明 |
着手金(基本報酬) | 22,000円~ |
減額報酬金 | 11% |
20万件以上の相談実績がある、東京・大阪に拠点を構えるのが「はたの法務事務所」です。
はたの法律事務所の特徴は以下の4つです。
- 利用者の満足度が95.2%
- 20万件以上の相談実績
- 相談料は何度でも無料
- 着手金は22,000円から可能
はたの法務事務所は利用者の満足度が「95.2%」を誇っている事務所であり、借金を含めたお金に関する問題解決が得意です。20万件以上と実績も豊富です。
はたの法務事務所は任意整理・個人再生・自己破産・過払い金請求に対応しています。相談は24時間・年中無休で受け付けています。
相談料金はすべて無料であり、全国への出張料金も無料です。また、他の事務所では数万円かかる着手金もかからないため、他の法律相談事務所よりも大幅にコストを抑えられる点がメリットとなります。
着手金がかからないはたの法務事務所なら、たとえお金がなくても、ローン会社等からの督促を即時に停止できます。
司法書士法人 穂はスタッフの対応が良いと評判
債務整理対応状況 | すべて対応 |
相談料無料 | ◯ |
費用分割払い | 不明 |
着手金(基本報酬) | 22,000円~ |
減額報酬金 | 11% |
債務整理を含めた様々な法的問題に対応してくれるのが「司法書士法人 穂」です。「司法書士は脇役たれ」というモットーのもと、相談者が抱えるそれぞれの悩みに寄り添うサービスを目指しています。
司法書士法人 穂の特徴は以下の4つです。
- 債務整理を含めた様々な法的問題に対応
- 個人再生や自己破産に関しては非対応(要確認)
- 相談料や着手金が発生しない
- 女性専用の借金相談窓口を設置
2021年6月「司法書士法人かなめ総合法律事務所」から改名した現名称にもそのモットーが現れています。
借金問題は、任意整理と過払い金請求に対応しています。相談料や着手金は発生しないため、誰でも気軽に相談することができます。
司法書士法人 穂はスタッフの対応が良く、サポート体制も充実していて特に「女性専用の借金の相談窓口」があり、最初は必ず女性スタッフが相談に乗ってくれるため、女性にもおすすめできます。
相談者のプライバシーを守るために、書類を自宅に郵送してもらいたくない人は局留めを利用したり、電話連絡も相談者が希望する時間帯に行ったりしてもらえるため、周囲にばれずに債務整理を行うことができます。
ベリーベスト法律事務所は全国56箇所に展開する業界最大手
債務整理対応状況 | 債務整理・過払い金請求 |
相談料無料 | ◯ |
費用分割払い | 可能 |
着手金(基本報酬) | 22,000円~ |
減額報酬金 | 11%~ |
国内に66箇所もの拠点を構える「ベリーベスト法律事務所」は、大手法律事務所として知名度が高いです。2010年に設立した当事務所は東京にメインのオフィスがあり、北海道から沖縄、海外にまで計66箇所の拠点があります。
ベリーベスト法律事務所の特徴は以下の4つです。
- 1067億円以上の過払い金回収実績
- 全国66箇所の拠点がある
- 幅広い法的トラブルに対応
- シミュレーション(減額診断)を公式サイトで提供
ベリーベスト法律事務所は交通事故から離婚問題、遺産相続や建築トラブルなど様々な問題に対応してくれますが、債務整理に関しても力を入れています。実際に2011年2月から2022年12月にかけて、計1067億円以上の過払い金を回収した実績があります。
料金体系に関しても、良心的で相談は何度行っても無料ですし、過払い金調査費用も請求が成功したもののみ発生します。任意整理の手数料も、負債額が10万円以下なら0円から可能です。個人再生・自己破産に関しても成功報酬が発生しません。
ベリーベスト法律事務所の利用を検討している方は、公式サイトの「減額診断」を利用してみましょう。診断結果ページからメールアドレスや電話番号を入力して、詳細な診断結果を送ってもらえます。
サンク法律事務所は債務整理が得意な8名の弁護士が所属
債務整理対応状況 | すべて対応 |
相談料無料 | 不明 |
費用分割払い | 可能 |
着手金(基本報酬) | 不明(要相談) |
減額報酬金 | 不明(要相談) |
東京都中央区に拠点を構える「サンク法律事務所」は、借金問題を含めて様々な法的問題に対応してくれる法律事務所です。
サンク法律事務所の特徴は以下の3つです。
- 計8人の弁護士が所属
- 女性の弁護士も所属しているので安心
- 弁護士ごとの取り扱い分野をHP上に記載
サンク法律事務所には計8人の弁護士が所属しており、女性の弁護士も所属しているため初めて債務整理をしたいけれど、男性に相談するのは緊張する、という方でも安心して利用できます。弁護士それぞれの取扱分野についてはホームページに記載してありますので、事前にチェックしておきましょう。
相談費用や手続きにかかる費用等はホームページ上に記載されていないため、電話等で直接問い合わせる必要があります。
東京ロータス法律事務所は債務整理の実績が豊富
債務整理対応状況 | すべて対応 |
相談料無料 | ◯ |
費用分割払い | 可能 |
着手金(基本報酬) | 22,000円~ |
減額報酬金 | 11%~ |
東京都台東区に拠点がある「東京ロータス法律事務所」は債務整理に関して豊富な実績があります。なぜなら当事務所は債務整理に特化しており、これまでに6000件以上の債務整理、過払い金請求に対応してきた実績があるからです。
東京ロータス法律事務所の特徴は、以下の4つです。
- 債務整理に特化した法律事務所
- 6000件以上の相談実績あり
- 相談者一人ひとりにマッチしたサポート
- ボーナス併用での支払い交渉可能
東京ロータス法律事務所は、相談者一人ひとりにマッチしたサポートを提供します。
債務状況や職業、収入など個々で異なる様々な要素を考慮したうえで、最良の解決策を提示してくれます。通常の返済方法だけでなく、ボーナス併用での支払いについても交渉してくれます。
司法書士法人みつ葉グループは全国にオフィスを展開中
債務整理対応状況 | すべて対応 |
相談料無料 | ◯ |
費用分割払い | 可能 |
着手金(基本報酬) | 不明(要相談) |
減額報酬金 | 不明(要相談) |
東京都港区に本社がある「司法書士法人みつ葉グループ」は、全国9箇所にオフィスを展開している法律事務所です。北は北海道から、南は沖縄まで展開しているため、比較的どの地域の人も利用しやすいです。
司法書士法人みつ葉グループの特徴は以下の3つです。
- 全国9箇所にオフィスを展開
- 計36人の司法書士が在籍
- 充実したサポート体制
当法律事務所には計36人の司法書士と1人の行政書士が在籍しています。
債務整理を依頼する際は専門のチームが対応にあたり、面談および返済プランの提案をしてくれます。サポート体制も充実しているため、初めての人でも安心して相談できます。
アース法律事務所は着手金22,000円〜
債務整理対応状況 | すべて対応 |
相談料無料 | ◯ |
費用分割払い | 不明 |
着手金(基本報酬) | 22,000円~ |
減額報酬金 | 10%~ |
東京都港区にある「アース法律事務所」は借金問題を含めて様々な法的トラブルに対応できます。アース法律事務所は「借金に強い法律事務所」を名乗っており、相談者第一のサービスを提供することをモットーとしています。
アース法律事務所の特徴は以下の3つです。
- 借金に強い法律事務所
- 24時間・365時間メール受付
- 着手金が安い
アース法律事務所はメールならば24時間・365時間相談を受け付けており、相談料も無料です。実際に依頼する場合も着手金が「22,000円」と他社よりも比較的安いため、できるだけお金を掛けずに借金問題を解決したい方に向いています。
アディーレ法律事務所は基本料金の返金保証あり
債務整理対応状況 | すべて対応 |
相談料無料 | ◯ |
費用分割払い | 可能 |
着手金(基本報酬) | 22,000円~ |
減額報酬金 | 22%~ |
法律相談所としては国内でもトップレベルの知名度があるのが、東京都豊島区に本社を構える「アディーレ法律事務所」です。全国に60以上のオフィスがある、超大手の法律事務所となります。
アディーレ法律事務所の特徴は以下の4つです。
- 国内最大手・トップレベルの知名度
- 全国に60以上のオフィス
- 法人債務整理に対応
- 土日祝日でも問い合わせ可能
アディーレ法律事務所では個人の任意整理・個人再生・自己破産・過払い金請求にくわえ、法人債務整理にも対応してくれます。2014年のデータバンク統計によると、国内では1日あたり20社を超える会社が倒産しているとされていますが、資金繰りだけでは経営状況は改善しないことも多いです。
そこでアディーレ法律事務所に相談するなら、少なくとも会社が再スタートを切るための手助けをしてくれます。
アディーレ法律事務所はサポート体制も万全で相談料は何度でも無料ですし、朝9時から夜10時、土日祝日でも電話で問い合わせが可能です。弁護士費用は分割払いで支払うことができますし、成功報酬金に関しても後払いが可能なので、一度に発生する出費負担を軽減できます。
弁護士法人・響は24時間365日相談できる
債務整理対応状況 | すべて対応 |
相談料無料 | ◯ |
費用分割払い | 可能 |
着手金(基本報酬) | 55,000円~ |
減額報酬金 | 11%~ |
最後に紹介するのは全国7箇所でオフィスを展開する「弁護士法人・響」です。グループには計53人の弁護士が所属しており、女性も多数在籍しているため女性の利用者でも安心して相談できます。
弁護士法人・響の特徴は以下の3つです。
- 全国7箇所でオフィスを展開
- 53人の弁護士が所属
- 相談内容ごとにグループで役割を分割
弁護士法人・響は5つの専門家からなる「響グループ」から成り立っており、それぞれ異なる役割があります。債務整理を担当するグループには優秀な人材が揃っており、申し込みに関しても24時間・365日にわたって対応してくれます。
債務整理におすすめの事務所の選び方
次は、債務整理を依頼する法律事務所の選び方において、どのようなポイントをおさえておくべきか解説していきます。
①債務整理専門の弁護士・司法書士がいるかで選ぶ
債務整理は借金問題を解決する上で有効な手段の1つです。ただし法律に関する専門的な知識や、実際に借金問題を扱ってきた経験が成否に大きく影響します。そのため、債務整理を検討する際には、債務整理を得意とする弁護士や司法書士に相談するべきであり、相談する法律事務所もよく検討してから選ぶ必要があります。
債務整理が得意な弁護士・司法書士に相談することで、相談者に最も合った債務整理の方法を提案してくれるだけでなく、手続きの進め方や法的なリスクについても嘘偽りなく教えてくれます。また今後の返済予定に関しても、的確なプランニングをしてくれます。
実際に債務整理を行う場合、弁護士や司法書士は債権者との交渉や書類の作成など、債務整理に必要な手続きを代行してくれます。代理人としての役割および「社会的な権力」は大きいため、失敗しにくいです。実は債務整理は弁護士を通さなくても行えますが、十分な法的な知識がないまま進めると、債務整理が失敗する可能性が高いです。
優秀な弁護士・司法書士をどのように探す?
債務整理を依頼する弁護士や司法書士を選ぶ際には、経験や実績、信頼性などを考慮し、慎重に選びましょう。
実際に相談する前に必ずホームページやSNS等で弁護士・司法書士の経歴・実績を確認したり、実際に相談した人の経験談を参考にすることもできるでしょう。お金の問題は弁護士や司法書士に任せるとしても、それらの専門家を「選ぶ」ことだけは人任せにせず、自分自身で必ず比較考慮したうえで決定しましょう。
②費用の安さで選ぶ
借金問題で債務整理を検討する際は、発生する費用の安さで選ぶことも重要です。まず、債務整理には具体的に以下のような手続き費用や報酬が発生します。
- 着手金:弁護士・司法書士が債務整理に着手することで発生する費用
- 解決報酬金:過払い金請求等が成功した際に弁護士・司法書士に支払われる費用
- 減額報酬金:返済総額の減額額に応じて一定割合が弁護士・司法書士に支払われる
これらの手続き費用は、債務整理に伴う実費または報酬として弁護士・司法書士に支払われます。主に任意再生を行う際に発生する費用ですが、個人再生や自己破産を行う際は裁判手続きが必要になるなど煩雑になるため、さらに多額の費用が発生します。
一般的な「相場」は存在するものの、実際の費用は依頼する弁護士・司法書士(法律事務所)によって異なります。費用が高い弁護士や司法書士を選ぶと単純に金銭的負担が大きくなりますから、できるだけ低コストで依頼できる弁護士や司法書士を選びたい、と考えるのは当然です。
安さだけで決めるのは危険
費用の安さだけで決めるのも避けるべきです。費用がどれだけ安くても、債務整理の経験が浅い、十分な実績がない弁護士や司法書士に依頼するべきではありません。
適切なアドバイスをしてくれなかったり、債権会社との交渉が難航して債務整理が失敗するなど、後々のトラブルにつながる可能性があるからです。
③自宅からのアクセスで選ぶ
借金問題で債務整理を検討する際は、自宅からのアクセスが良い弁護士事務所・司法書士事務所を優先的に選ぶと良いでしょう。
まず、債務整理に至るまでには何度か面談が必要な場合があります。なぜなら相談者は内容を理解してから承諾する必要があるからです。1回で話し合いが終わる場合もありますが、状況によっては数回の面談の機会を設けて、弁護士や司法書士と債務整理の方法や手続きの流れ、メリットやリスクなどを確認し合います。
また面談では、借金問題の現状や借入先の詳細、相談者の職業や収支、所有している口座など様々な個人的な情報を含めた話し合いが行われます。そういったプライベートな内容を扱うならなおさら、自宅から通いやすい事務所であることが望ましいです。
弁護士や司法書士事務所が自宅から遠く離れていると、交通費や時間的な負担も大きくなります。特に生活に困っている方にとっては、それらの交通費に関しても無視できない負担となります。
債務整理には、ローン会社との契約書や督促状、返済状況が記載された明細など、多くの書類も必要です。必要な書類に関しては弁護士や司法書士が教えてくれますが、書類の不備がある場合は、何度か事務所に行く必要があります。自宅からアクセスしやすい事務所を選ぶことで、書類忘れや不備が発生しても手続きが比較的スムーズに進みます。
④弁護士か司法書士かで選ぶ
債務整理は「弁護士」だけでなく「司法書士」にも依頼できますが、どちらを選べば良いのか分からない、という方も多いでしょう。弁護士と司法書士では「できること」に違いがあるため、その違いを理解したうえで適切な方を選ぶ必要があります。詳しい理由は後ほど解説しますが、基本的には弁護士を選ぶことをおすすめします。
⑤口コミの良さで選ぶ
借金問題で債務整理を検討する際には、法律事務所や弁護士・司法書士の「口コミの良さ」も参考にしましょう。
債務整理は、大抵の場合相談者が自分自身では解決できない難しい問題であるために、弁護士や司法書士の力を借りることになります。しかし、どのような案件でも100%成功させる、ドラマで見るようなオールマイティな弁護士や司法書士はいません。
弁護士・司法書士にそれぞれの特性や得意分野がありますし、実際に扱った事件の数や実績も異なるため、より借金問題を得意とするプロフェッショナルを選ぶことが重要です。ネット上に公開されている口コミを参考にすることで、借金問題に特化したプロフェッショナルを選びやすくなります。
信頼できる口コミとは?
信頼できるサイトに記載されている口コミの多くは、実際にその法律事務所を利用した人が書いたものであるため、参考にできます。検討している法律事務所の口コミを確認することで対応の良さ・悪さを知ることができますし、信頼関係を築きやすく、心理的にも安心して依頼できる弁護士・司法書士を見つけやすくなるでしょう。
ただし、口コミの「情報源」には注意するべきです。法務事務所の口コミには主観的な意見が含まれているため、「自分に合わなかった」というだけで低い評価が付けられていることがあります。また相談者側に問題があり債務整理が頓挫したにも関わらず、弁護士や司法書士側に責任が転嫁されているケースもあります。
信頼できる口コミとそうでない口コミを、どのようにして判断できるでしょうか。以下の例をご覧ください。
- 信頼性が高い①:債務整理のメリットやリスクを、事前にしっかりと説明してくれたので安心して任せられた
- 信頼性が高い②:当初は自己破産しかないと思っていたが、〇〇円なら任意整理でも大丈夫ですよ、と提案してくれた。
- 信頼性が低い①:結果的に任意整理は難しいと言われた。評判が良かったから依頼しようと思ったのに、この事務所は詐欺だ。
- 信頼性が低い②:私はここを利用していないが、絶対に〇〇事務所の方が信頼できるし、費用も安い。
信頼できる口コミとは、いわゆる「根拠があるもの」を指します。実際にその弁護士・司法書士に相談したり、法律事務所を利用した人が書いたものであるため、具体的な事例や相談内容、相談した結果が記載されています。一方であまり信頼できない口コミは具体性に欠けていたり、最初から貶めるための悪意が含まれていたりするため、注意が必要です。
そのため債務整理に伴って口コミを参考にする際には、信頼できるソース(口コミ掲載サイト)の選別や、明確な悪意のある口コミを無視する心構えも必要です。口コミを過信しすぎず参考として捉え、最終的には自分自身の判断で決定するようにしましょう。
そもそも債務整理とは?3種類の違いを解説
次は債務整理の種類と具体的な違いについて解説していきます。
任意整理
任意整理とは、ローン会社やカード会社等の債権者と弁護士および司法書士が交渉を行い、将来分の利息をカットしつつ、改めて返済予定を建て直す方法です。あくまで返済方法を建て直す方法であるため借金(元本)の減額はできませんが、過払い金があれば返還請求できますし、支払いを一本化できるため、負担が大いに軽減します。
多くの方にとって悩みの種となっているのが「多重債務」です。借入先が多ければ多いほど負担が増えるため、返済が滞るリスクが高くなります。しかし任意整理を行うと、個人の経済状況に応じて返済ができるようになりますし、返済が完了する期日が明確になるため、終わらない督促によって精神的に疲弊しなくても良くなります。
実際に弁護士・司法書士に任意整理を依頼すると、債権者からの督促は止まります。これは弁護士が債権者に対して送付する「受任通知」に法的拘束力があり、債権者は通知を受け取った段階で債務者に対して督促ができなくなるからです。
そのため、経済的な理由で返済ができず、督促にも悩まされている方はすぐにでも弁護士・司法書士に相談することをおすすめします。ただし信用情報機関に任意整理の事実が記録され、今後少なくとも数年間は新しくクレジットカードを作ったり、カードローンを利用したりできなくなる点は注意が必要です。
任意整理はこんな人におすすめ
- 債務総額が比較的少ない人
- 一定の収入がある人
- 普段の生活に支障がない範囲で継続的返済が可能な人
- 自己破産を避けたい人
- 家族に知られずに借金問題を解決したい人
任意整理は、自己破産や個人再生といった裁判所を介す必要がある法的手続きに比べ、比較的簡単な手続きで済みます。そのため、借金問題を解決したいと考えているが、できるだけシンプルに解決したい方に向いています。
任意整理は、借入額が比較的少額である方にも向いています。少額であれば返済できる可能性が高くなりますし、そもそも少額の方が債権者側が交渉を受け入れやすいです。単純に返済額が「自分の返済能力の範疇」に抑えられるというメリットもあります。
また任意整理は個人再生や自己破産とは異なり、官報という国立印刷局が発行する「官報」に情報が記載されません。そのため家族だけでなく勤務先にも債務整理の事実がばれたくない、という人に向いています。ただし保証人・連帯保証人がいる借入に関してはそれらの人に請求が行ってしまうため、対象から外す必要があります。
個人再生
個人再生とは、裁判所を介して大幅に借金を減額する方法です。債務整理と異なるのは「借金(元本)」が減るということであり、多重債務により多額の借金を背負っている方の負担を大幅に軽減できます。どれくらい減額できるのかは、次の表をご覧ください。
負債額 | 最低弁済額 |
100万円未満 | 全額 |
100万円以上500万円以下 | 100万円 |
500万円超1500万円以下 | 5分の1 |
1500万円超3000万円以下 | 300万円 |
3000万円超5000万円以下 | 10分の1 |
個人再生における最低弁済額は、負債総額によって決まります。ただし、本人が所有している「財産価値」および「2年分の可処分所得」の方が高い場合は、そちらが最低弁済額となります。
個人再生では借金が大幅に減額できるため「すべての借金問題を抱える人が個人再生すれば良い」と考える方もいますが、それは間違いです。個人再生を弁護士や司法書士に依頼する場合は債務整理よりも高額になりますし、官報に掲載されるため、確率は低いですが「周りに知られる」リスクがあります。
また借金がゼロになるわけではなく返済自体は続くため、定期的な収入がある人しか個人再生を選択できません。任意整理と同様に継続的な返済能力が必要となりますし、確実に完済できる返済計画を立てて、それを確実に遂行できる経済状態であることが求められます。
個人再生はこんな人におすすめ
- 返済が困難だが、自己破産には抵抗がある人
- 多額の債務を抱えているが、定期的な収入はある人
- 現在の生活水準を維持しながら、債務を整理したい人
個人再生は明確に「借金を減額したい」と考えている人におすすめです。個人再生の最大のメリットは、返済計画通りに3〜5年かけて返済を行えば、残りの債務が免除される点です。残債の免除に関しては法的強制力があるため、減額された金額以上のお金を債権者は請求することができません。
また個人再生では住宅や車といった高額な資産価値を持つものを残すことができます。住宅なら「住宅ローン特則」の要件をクリアすればローンの支払を継続できます。車に関しても、ローンを完済していれば手放す必要はありません。今までの生活水準を保ちながら、借金返済を同時進行することができるのです。
自己破産
自己破産とは、借金の返済が不能になった人が裁判所を通して借金を全額免除してもらうことです。一般的に、債務整理では解決できないほど多額の借金がある人や、収入がなく返せる見込みも全くない人が選択します。
自己破産は「借金がゼロになる」ため債務整理におけるもっとも有効な手段であり、同時に高いリスクがあるため、あくまで最終手段です。誰でもできるわけではなく、たとえば以下の借金に関しては「免責不許可事由」に該当し、原則裁判所から許可が下りない可能性が高いです。
- ギャンブル(パチンコ・競馬)等で多額の借金をした
- 株・FXなどで莫大な利益を上げようとした結果多額の損失を出した
- 債権者からの借入が年収や職業等の虚偽申告を伴うものであった
- 最初から破産をするための目的でカードの現金化などを行った
- 最初に返済するべき債権者ではなく特定の債権者だけに一定額を返済していた
- 詐欺行為をはたらいた結果結果多額の借金を負うことになった
自己破産は非常に強力な方法でありながら「誰でも・無条件で」選択できる方法ではありません。どれだけ借金をしても「最終的には自己破産すればいい」という考えは通用しないことを理解しておきましょう。
自己破産は借金がなくなるという最大のメリットを第一に考えてしまいがちです。しかし実際に目を向けなければならないのは、自己破産におけるデメリットです。例えば、以下のようなデメリットがあります。
- 高い資産価値がある財産を売却し返済に充てる必要がある
- 免責許可が確定するまで一部の国家資格に伴う活動が制限される
- 官報に掲載されるため自己破産の事実を知られる可能性がある
資格の制限と官報の掲載に関しては、多くの人にとって大きなデメリットとはなりにくいでしょう。反面、多くの方にとってネックとなるのが「財産処分」です。個人再生とは異なり「20万円以上」の財産(99万円以下の現金を除く)は原則すべて換価の対象となるため、住宅や車などの生活に必要な財産を失うことになります。
特に、家族がいて持ち家がある方は秘密裏に行うことは難しいでしょう。場合によっては住処だけでなく移動手段も失うため、一時的にでも生活水準を大幅に下げる必要があるかもしれません。以上の点から、自己破産は安易に選ぶべきではなく、大きなデメリットがあることを理解したうえで行うべきです。
自己破産はこんな人におすすめ
- 多額の借金をどうやっても返済できない人
- 将来的にも借金を返済できる見込みがない人
- 何らかの理由で収入が減少、または無収入状態である人
- 債務整理の他の方法が適用できない人
自己破産は「借金がどうやっても返済できない人」のための最終手段です。自己破産を裁判所に認めてもらうことで、債務を完全に免除してもらえるからです。収入がなく返済能力がないと判断される場合も、自己破産の対象となります。
任意整理や個人再生を選択できない方も必然的に自己破産となりますが、さきほど挙げたようなリスク度合いは人によって異なります。独身であったり、賃貸住宅に住んでおり車など高価な資産も持っていない人にとっては、自己破産のリスクはそこまで高くありません。
結局は得られるメリットと、自分自身および家族への影響を天秤にかけたうえで決める必要があります。まずは弁護士・司法書士などの専門家に相談しましょう。本当に自己破産するべきかどうか、適切な提案をしてくれるからです。
弁護士と司法書士の違い
債務整理は弁護士・司法書士のどちらにも依頼が可能です。法律事務所によって弁護士・司法書士のどちらが所属しているかは異なります。具体的に弁護士・司法書士には以下のような違いがあります。
- 弁護士:法律が関わる問題全般を扱える
- 司法書士:主に法律が関わる「登記」を専門とする
さらに債務整理においては次のような違いもあります。
相談者の債権額 | 弁護士 | 司法書士 |
債権額が140万円以下 | 対応できる | 認定司法書士のみ可能 |
債権額が140万円以上 | 対応できる | 対応できない |
弁護士は条件なくどのような借金問題にも対応できるのに対して、司法書士は「認定司法書士」のみ債務整理が可能であり、さらに個々の債権額が「140万円」を超えると対応できなくなります。
弁護士に依頼するべき理由
金額が制限されている司法書士は、実質「できること」も制限されています。たとえば個人再生や自己破産など、一般的に債務額が大きくなる場合、司法書士では対応できないケースが増えます。
過去には、実際に司法書士に相談した人が相談しても債権会社からの督促が止まらなかったり、140万円を超えるために「裁判だけ自分でやるように」言われるなどのトラブルが発生しています。
以上の理由から、基本的に債務整理は弁護士に依頼することをおすすめします。弁護士に依頼するなら、主に以下のメリットが享受できます。
- どれだけ借金額・過払い金額が大きくても対応してくれる
- 弁護士は代理人になれるため費用が安く、破産手続きも早期に完了する
- より深い法的知識や実績があるため、どのような特殊ケースにも対応してくれる
債務整理が初めてで不安な方や、いわゆる「トータルサポート」を受けたい方にとってこの選択はかかる時間やコストにも関わってくるため重要です。後悔のない選択をしましょう。
債務整理を弁護士・司法書士に依頼するメリット・デメリット
次は、債務整理を弁護士・司法書士に依頼するメリット・デメリットを解説していきます。
メリット
- 法律の専門家に相談できる
- 最適な選択肢を提案してくれる
- 交渉や手続きを代行してもらえる
- 成功率が高くなる
法律の専門家に相談できる
弁護士・司法書士は法律の専門家であり、債務整理に関する知識や経験・実績が豊富です。自分で借金問題の解決策を見つけることができなかったり、判断に迷った場合には、専門家に相談することで、的確なアドバイスを受けることができます。
最適な選択肢を提案してくれる
弁護士・司法書士はアドバイスだけでなく、相談者の職業、収入、年齢、家族構成など様々な要素を理解したうえで、最適な選択肢を提案してくれます。たとえば相談者本人が「自己破産しかない」と考えていても、債務整理や個人再生が可能であり最適な場合は、そちらを選ぶメリットも含めて教えてくれます。
交渉や手続きを代行してもらえる
債務整理には債権者との交渉や裁判所への手続きが必要ですが、弁護士・司法書士に依頼するとそれらの手続きをすべて代行してくれます。基本的に相談者が行うべきなのは必要書類や証拠書類を集めて渡すことであり、特別な法的手続きは必要ありません。
成功率が高くなる
債務整理は自分自身で行うこともできますが、一般的に成功率が著しく低くなります。法律に関する専門的な知識がないと、債権者との交渉に難航して不利な条件を呑んでしまったり、裁判所への手続きで不備が発生し、時間と手間を掛けたのにも関わらず失敗に終わる可能性が高くなります。自身が法律の専門家であるなど特別な理由がない限りは、弁護士・司法書士に依頼することをおすすめします。
デメリット
- 依頼に伴い費用が発生する
- 手続きには一定の期間を要する
- 信頼できる弁護士・司法書士を見つけるのは難しい
- 完済できるかどうかは自己責任である
依頼に伴い費用が発生する
弁護士・司法書士に依頼する場合、必ず一定の費用が発生します。着手金や成功報酬は債務整理の種類によって異なりますし、選ぶ弁護士・司法書士によっても差があります。とりわけ少額で任意整理を行う場合などは、弁護士費用がコストの大半を占めてしまう可能性もあります。
相談料は基本的に無料であることが多く、着手金や成功報酬に関しても分割払いが可能なため、「相談時にいくらかの現金が必要」というケースは少ないです。ただし、初回相談がそのまま契約につながるケースが多いため、相談前に必ず費用について十分に確認しておくべきです。
手続きには一定の期間を要する
債務整理は弁護士・司法書士に依頼したとしても、手続きが完了するまでに一定の期間が必要です。実際に債権者と交渉を行う前段階の書類作成にも一定の期間を要します。受任通知の有効性により、債権者からの督促は基本的にすぐ止まりますが、依頼する弁護士や法律事務所によって差があるという点は覚えておくべきです。
信頼できる弁護士・司法書士を見つけるのは難しい
債務整理を依頼する際には、信頼できて実績が豊富な弁護士・司法書士を選ぶことが重要ですが、選択肢が多い分迷ってしまうでしょう。いわゆる「知名度」や「人気度」だけでなく、実績の多さや相談のしやすさ、サービスの良さ等も含めて多角的に判断する必要があります。口コミやSNSの評判だけを頼りにするのではなく、実際に電話で問い合わせてみたり、相談してみることをおすすめします。
完済できるかどうかは自己責任である
債務整理は、自分自身の借金問題を解決するためのいち手段にしか過ぎず、弁護士・司法書士が代わりに「解決」してくれるわけではありません。相談者自身が責任を持って返済を続けていく必要があります。
債務整理の費用が払えない人におすすめの公共機関
最後は、債務整理の費用が払えない人におすすめできる、3つの公共機関について紹介していきます。
法テラスに相談
債務整理の費用を払うのが難しくなった場合、法テラスに相談できます。法テラスとは国が設立した法的トラブルを抱える人のための案内所であり、基本的に誰でも利用できます。そして法テラスでは弁護士・司法書士に依頼する費用を立て替えてくれる「民事法律扶助業務」という仕組みがあります。
民事法律扶助制度は、主に以下に当てはまる人が利用できます。
- 民事法律扶助の趣旨に沿っていること
- 少なくとも裁判で勝訴の見込みがある人
- 本人の収入が基準額以下であること(単身なら182,000円以下である)
この制度により、法律相談および書類作成、代理援助に伴う費用を法テラス側が負担してくれるため、どれだけ経済状態が悪くても弁護士・司法書士に債務整理を依頼することができます。
法テラスサポートダイヤル:0570-078-374
消費生活センターに相談
多重債務に陥って返済が困難になった場合、消費生活センターに相談することができます。具体的に何をしてくれるのか、東京都の例を挙げると次のような対応をしてくれます。
- 電話また来所によって債務の状況を整理し、専用窓口を予約してくれる
- 相談者は専用窓口から専門家の助言を受けられる
- 弁護士会や司法書士会等を通して受任状況や解決方法を提示しれくれる
これらのサービスは無料で利用できるため、最初から弁護士・司法書士に相談するのは不安だと感じる方や、そもそも誰に・どこに相談して良いのか分からない、という方におすすめできます。
消費者ホットライン:188(局番なし)
消費者ホットライン(平日バックアップ相談):03-3446-1623
債務整理に関するFAQ
最後は、債務整理に関してよく寄せられるいくつかの質問について、それぞれ回答していきます。
債務整理を依頼すると債権者からの督促や取り立てはすぐ止まる?
債務整理の手続きが進み、債権者が受任通知を受け取った段階から、督促や取り立ては止まります。ただし債務整理が終了しても、残りの債務がある場合は、債権者からの督促や取り立てが再開されることがあります。
債務整理をすると信用情報に影響はある?
債務整理を行うと信用情報機関に5~10年間登録されるため、少なくともその期間中はローンやクレジットカードの審査がほぼ通らなくなります。ただし債務整理をしたからといって、100%借りられなくなるわけではありません。
中には限度額を少額にしたうえで発行してくれるカード会社もありますし、信用情報機関を通さない後払いサービスや、デビットカードは利用できます。
債務整理の費用はいくらくらいかかる?
債務整理の費用は選ぶ弁護士・司法書士また事務所によって異なりますが、任意整理であれば1社あたり3万円程度から、個人再生や自己破産であれば30万円から50万円程度が一般的です。
この金額はあくまで弁護士費用であり、裁判所への手続が必要な個人再生・自己破産においては追加で費用が発生します。また債務整理が成功した際は成功報酬が発生し、これも弁護士・司法書士によって異なります。
まとめ
債務整理は借金問題を根本から解決するための手段であり、優秀な弁護士・司法書士に依頼することで、より良い「再スタート」を切ることができます。
相談先は比較考慮したうえで決定し、余計なコストがかからないか、司法書士でも対応可能な範囲か、などの点にも注目しましょう。