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ETF(上場投資信託)とは?メリット・デメリット・投資信託との違い解説

2023.11.22 maeda maeda

ETFとは日本だけでなくアメリカや香港、シンガポールなど海外にも存在し、活発に取引がおこなわれているメジャーな金融商品です。

ETFは通常の投資信託とは違った特徴やメリットがあります。一方で、ETFならではの注意点も存在します。これらを理解してETFへの投資をおこなえば、資産形成の有用なツールとして大いに役立つことでしょう。

ETF(上場投資信託)とは

ETFとは「Exchange Traded Funds」の頭文字をとった略称で、日本語では「上場投資信託」と訳されます。その名の通り東京証券取引所などに上場されていて、取引所で売買がおこなわれることが大きな特徴です。

ETFの主な種類

国内株式型 日経平均やTOPIXなど日本の株式に投資するETFです。大型株や小型株を対象にしたETFもあれば、業種別のETFもあります。
外国株式型 投資の対象を外国の株式としています。世界の株式へ投資するものもあれば、アメリカや中国など単一の国に投資するものも存在します。
国内債券型 国債や社債など日本で発行される債券に投資するETFです。
外国債券型 外国の債券へ投資するETFです。世界の債券に投資をするものもあれば、先進国債券や新興国債券のように投資対象が分類されている場合もあります。
商品型 金や銀、原油など商品(コモディティ)に投資するETFです。
レバレッジ型

インバース型

レバレッジ型とは、対象指数の2倍や3倍の値動きをするように設計されたETFです。インバース型は対象指数と反対の動きをするように設計されていますので、対象指数が値下がりするとETFは値上がりします。

ETFにはさまざまな種類があります。国内や世界の株式・債券に投資をおこなうだけでなく、金や原油のような商品(コモディティ)への投資をおこなうETFもあります。

さらに対象指数の2倍や3倍の動きをするレバレッジ型や、逆の動きをするインバース型もあります。日経平均のレバレッジ型ETFは、時には東京証券取引所の買付銘柄の売買代金で上位になることもある人気の銘柄です。

東証ETFと米国ETFの違い

東証ETFは日本の法律に基づいて設定されたETFで、東京証券取引所に上場しています。東証ETFの運用会社は、日本での運用免許を持っている必要があります。

一方で、米国ETFはアメリカの法律に基づいて設定されたETFで、アメリカの取引所に上場しています。アメリカの証券取引所にはニューヨーク証券取引所、ナスダックなど複数あります。アメリカはETFの運用資産と銘柄数がともに世界最大ですので、日本以上にさまざまな種類のETFが存在します。

日本から取引する場合、ともに証券会社の口座から発注します。基本的に東証ETFは日本株、米国ETFはアメリカ株と同じ取引のルールが適用されます。通常、東証ETFの手数料は日本株の取引手数料と同じで、米国ETFの手数料はアメリカ株の売買手数料と同じになります。

ETFと投資信託の違い

ETFは、通常の投資信託と異なり上場しています。上場有価証券は取引所で売買され、このときの取引相手は取引所に参加するすべての個人と法人です。ETFはオークション方式によって注文が成立します。

一方で、一般の投資信託の取引相手は運用会社です。1日1回運用会社が算出する投資信託の時価評価(基準価額)で売買取引が成立します。

ETFと投資信託にはそれぞれの特徴と取引時の注意点がありますので、それらをよく理解したうえで自分にあった取引をおこなうことが重要です。

ETF(上場投資信託)のメリット

世界中で活発に取引されるETFですが、どのようなメリットがあるのか見てみましょう。

分散投資がしやすい

ETFは分散投資が簡単におこなえるというメリットがあります。

投資信託は多くの人から資金を集め、その資金をまとめて運用します。この方法により1人の投資額は少額でも、全体では大きな金額での運用が可能となります。

日本の株式は100株単位での購入が原則です。日経225と同じ銘柄を保有しようとすると225銘柄購入することになり、非常に大きな金額となってしまいます。投資信託であれば、多くの人から集めた資金で運用できるので、225銘柄の投資も可能になるというわけです。

このメリットはETFにも引き継がれており、通常では大きな金額が必要な投資銘柄が分散されたインデックスへの投資も、個人が少額からおこなうことができます。

投資信託よりもコストが安い

ETFの利点として、コストの安さも挙げられます。ETFは通常の投資信託と比較してコストが安い傾向にあります。

通常の投資信託は、「販売会社」「運用会社」「受託銀行」という3主体の報酬が合計された信託報酬を投資家は支払います。一方で、ETFの信託報酬は「運用会社」と「受託銀行」の報酬のみで、「販売会社」の報酬は発生しません。その分、通常の投資信託より安くなりやすいのです。

また、ETFは制度上目論見書や運用報告書を投資家に交付する必要がありません。そのため目論見書や運用報告書を大量に印刷する必要がなく、商品の運営費用が少なくて済みます

投資信託の信託報酬が高いと、運用期間が長いほど累積されていき運用成果にマイナスの影響を与えます。運用コストが低いETFは、長期投資にとても適している商品といえます。

リアルタイム取引が可能

ETFは取引の機動性に優れている点も大きな特徴です。

株式市場は、1日の取引時間内でも大きな変動を見せるときがあります。ETFは場中に値段が動きその価格で取引(リアルタイム取引)ができるので、このような変動にも対応した取引ができます。また取引所でおこなうETFの売買は、一日に何回でも可能です。買って儲かったら、その日のうちに売ることもできます。

通常の投資信託では、1日1回、場が引けた後に算出される基準価額で取引が成立します。そのため、午前中に大きく値上がりしていたので保有銘柄の売付注文を出したところ、午後に相場が下がってしまい、結局儲からずに投資信託を売却してしまったという経験をした人は結構多くいます。

ETFでは午前中の値上がりの段階ですぐに売却できますので、このような機会損失を避けることができます。

ETF(上場投資信託)のデメリット

ETFにはデメリットもあります。どのような点に注意するべきなのか見てみましょう。

分配金は自動投資されない

ETFには分配金が出たときに、自動的に再投資される仕組みがありません。

通常の投資信託の場合、購入する際に分配金自動再投資コースを選択できます。分配金が出た際に、自動的に購入できる金額まで同じ銘柄の買付を無手数料でおこなってくれます。分配金を現金として保有することなく効率的に運用できます。また、忙しくて買付するのを忘れるということもありません。

ETFにはそのような仕組みがありませんので、分配金が出たときには自分で何口購入できるか計算して発注する必要があります。また、通常買付には所定の売買手数料が掛かります。

つみたてNISAで投資できる銘柄が少ない

現在、つみたてNISAの対象となるETFは8銘柄しかありません。

つみたてNISAは、毎年40万円までの積立投資について得られた利益(分配金や売却益)が、最大20年間非課税になる制度です。つみたてNISAの対象銘柄は金融庁が定めた条件をクリアして申請された投資信託のみで、2023年11月2日現在では257本です。

参考:金融庁HP

つみたてNISAの利用ということで考えると、ETFよりも通常の投資信託のほうが銘柄が豊富にあり、多くの選択肢を検討できます。

「市場価格」と「基準価額」が大きく乖離する可能性がある

ETFには2つの値段が存在します。

1つは「市場価格」で取引所で成立した価格です。取引の数だけ市場価格が発生します。

もうひとつは「基準価額」です。通常の投資信託と同様に、1日に1回組み入れ銘柄の時価評価から算出する時価評価です。ETFでも、毎日1回基準価額が算出されます。

基準価額は原則として組み入れ銘柄を終値で評価して算出しています。取引所が終了した時点では、基準価額はETFの時価評価を正確に反映しています。しかし取引所での売買は、前日の終値から別の材料を織り込み、かつ参加者の思惑も絡んで取引がおこなわれますので、基準価額とは乖離した価格で取引されることもあります。

ETF(上場投資信託)の売買方法

ここからは東証ETFの売買方法を説明します。ETFの売買をおこなうには、まず証券会社に口座を開設する必要があります。ETFは株式と同様に取引所での取引になりますので、通常の投資信託のように銀行では購入できません。

証券会社に口座を開設したら、どの銘柄を購入するか検討しましょう。銘柄が決まったら、取引価格と売買単位を確認して、取引金額の概算値を計算しておきましょう。注文できるのは東京証券取引所が開いている時間で、前場が9:00~11:30、後場が12:30~15:00です。

発注方法には2種類あります。1つは「指値注文」です。指し値注文は取引したい価格を指定して注文を出します。

例えば、指値を100円で買付注文を出した場合、対象ETFの価格が100円以下で取引されていれば買付ができます。その日の最安値が100円より大きい場合は、注文が成立しません。

同様に指値200円で売付注文を出した場合は、ETFの価格が200円以上で取引されれば売付が成立します。その日の最高値が200円より小さいときは売却できません。

指値注文は指定した価格で取引できるメリットがある一方、その値段に達しない場合は取引自体が成立しないというデメリットがあります。

もうひとつの注文方法は「成行注文」です。成り行き注文は、原則としてその時の市場価格で売買する注文です。買付注文であれば、その時点で出されている最も安い売付注文の価格で取引が成立します。売付注文であればその時点で出されている最も高い買付注文と取引が成立します。

成り行き注文は確実に取引が成立するメリットがある一方で、思わぬ高値での買付など予想外の価格で約定するリスクがありますので注意しましょう。

まとめ

ETFは取引所で株式のように売買できる投資信託です。種類が豊富で国内の株式や債券だけでなく海外の株式や債券、さらには商品(コモディティ)を投資対象としたETFもあります。また、対象指数の2倍や3倍動くレバレッジ型や逆の動きをするインバース型のETFもとても人気があります。

ETFには、一般の投資信託と比較するとコストが安い傾向があることやリアルタイムで取引ができるというメリットがあります。一方で、分配金の自動投資ができなかったり、つみたてNISAで使えないなどのデメリットがあります。

ETFと投資信託の違いをよく理解すれば、自分の投資スタイルや売買の目的に合わせて上手く使い分けることも可能でしょう。ETFを活用して、賢い資産形成をおこないましょう。

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